マチグヮー楽会とは

まちわく

2010年02月16日 16:14

マチグヮー楽会とは(第2回マチグヮー楽会プログラムより)

 マチグヮーとは市場のことです。そして、市場を中心とした地域が持つ、経済の場、生活と交流の場、文化の発信源などさまざまな顔のことです。この会は、マチグヮーに関する調査・研究・イベントなどの取り組みを地域の人たちと共有し、関わる人・組織の交流を図りながらマチグヮーについての情報を蓄積し、マチグヮーの文化を発信することを目的とします。

 那覇のマチグヮーは、那覇の歴史そのものです。マチグヮーは、沖縄の生活文化・食文化・商文化を担ってきました。マチグヮーは常に、那覇の活気の源でした。1947年頃には、沖縄戦で壊滅した那覇の街の開南から松尾にかけて、闇市として復活したマチグヮーが、人々が自力で街を復興するシンボルとなりました。

 マチグヮーの役割は、中継貿易の拠点、那覇の庶民の日用品や食品の供給、県内産品の集積地など、時代によってさまざまに変化してきました。現在、マチグヮーを歩く人々は観光客の方が多く、地元の人間は郊外型の大型商業施設やスーパーマーケットに流れていると言われます。地元客が買い物をしないマチグヮーは、観光客にとっても魅力が薄いものになるでしょう。経済の場としてのマチグヮーは今、日常の魅力をどうやってつくり出すかが問われています。

 マチグヮーは、経済的な意味を担ってきただけではありません。周辺には保育所から大学まで多くの学校があって、子どもたちが育つ場所でもあり、戦後すぐにここで働きはじめた人たちが現在も商いを続けるように、高齢者が働き、その馴染みの高齢な客がゆんたくしながら買い物に歩き、集える場所でもあります。マチグヮーは生活のための街です。街としてのマチグヮーも、今、難しい状況を迎えています。街の中での横の繋がりは薄くなり、子どもたちは、近くにありながら、マチグヮーをよく知らずに育ちます。知らずに育ったところに愛着は生まれません。

 しかし、マチグヮーに魅力を見出す人も多くいます。戦後のたくましさの中で自然発生して生き続けてきたマチグヮー、さまざまな顔をもつマチグヮー、変わり続けながら変わらぬ雰囲気を持つマチグヮー、沖縄を凝縮したマチグヮー。
マチグヮー楽会では、その魅力の源泉と現在、そして未来について考えることを目指します。マチグヮーで店を営む人たち、住む人たち、子どもたち、市民活動をする人たち、遊ぶ人たち、研究する人たち、ほかの地域でさまざまな活動をしている人たちが集まって、マチグヮーの魅力や問題について話し合いましょう。そして、「楽」しみながらマチグヮーについて考えましょう。

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